こんにちは。うさぎが大好きフレミング(@FlemishGarden)です。
最近はうさぎ人気が上昇中で、「うさぎ派」が「犬派」「猫派」に続く第三勢力になりつつあります。
うさぎが増えすぎて問題に!?
そんな可愛いうさぎですが、ある国では増えすぎた余りに農業への被害が多く、害獣扱いされてしまっています(;_;)。
それはどこかと言うと…
オーストラリアです!!
イギリスから持ち込み
「ナショナル・ジオグラフィック」Web版のこちらの記事によれば、オーストラリアにうさぎが最初に持ち込まれたのは1859年のこと。イギリス人の入植者が、ウサギ狩りをするために持ち込んだそうです。当時のオーストラリアは、イギリスの植民地でしたね。
環境への適応と増殖
たちまちオーストラリアの環境に適応したうさぎ達は、またたく間に大陸中に広がっていきました。穴を掘って巣穴を広げ、草を食べるうさぎにとっては、巣穴作り放題、草食べ放題の理想の土地だったようです。
CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)の論文によれば、オーストラリアでのうさぎの生息範囲は、1859年の導入から50年も経たないうちに大陸の半分まで広がっています。
そして1980年までには、大陸のほぼ全土がうさぎの勢力範囲になってしまいました。まるで、うさぎ島こと大久野島みたいですね。
うさぎがわるさをしている…!?
ファンにとっては可愛いうさぎ、それが沢山いるなんて天国のようだ、キャベツを持って遊びに行こうと思うかも知れません。でも…
オーストラリア政府の報告書によれば、うさぎの増加が深刻な問題を起こしているそうです。
自然環境への被害
オーストラリアは、コアラやカンガルーなどの有袋類に代表されるように、地球上でも独自の生態系を持っています。そしてうさぎは、この生態系に影響を与えてしまいます。
オーストラリアの固有種との競合
うさぎは繁殖力がとても強い生き物です。いってみれば、「どんどん食べてどんどん増える」生命力の強さを持っています。そのため、他の生き物との生存競争で勝ってしまうのです。
例えば、次のような被害が出ています。
- オーストラリアの乾燥地に住むいくつかの小型(重さ5.5kg以下)の哺乳類を絶滅させた。
- 多くの在来の動植物の数を減少させた寄与した。
- ミズナギドリなどの海鳥のコロニーを脅かした。
植生へのダメージ
また、食欲も強いために、植物をどんどん食べてしまいます。ノーフォーク島やフィリップ島では、野生のうさぎとヤギが土地を岩盤に変えてしまいました。うさぎは木の皮まで食べてしまうため、食べられた植物が復活することができません。
うさぎ被害の大きさは?
オーストラリアで外来種についての情報を提供している「Pestsmart Connect」の報告書によれば、1ヘクタール当たりわずか1匹のウサギが居るだけで、自然環境の再生が妨げられてしまうそうです。
農業へのダメージ
そして、農作物を食べてしまったり、巣穴で農地を荒らしたりといった被害も見逃せません。下はクイーンズランド州の通知からですが、農家としてはたまりませんよね。
うさぎ増加対策(T_T)
そんな被害に耐えかねて、オーストラリア政府は「管理」とオブラートに包んだ言い方をしていますが、うさぎの数を減らすようにしています。生きるためですからね…
退治の方法
- ウイルスを使う方法…うさぎにだけ影響がある「粘液腫ウイルス」や「ウサギ出血性ウイルス」を使ってうさぎを減らします。この方法は、最初は効果的だったのですが、徐々に耐性が付いてきているとのこと。短い時間で進化しているんですね。
- 毒を使う方法…「化学的方法」とオブラートに包まれることもありますが、フルオロ酢酸ナトリウムを使う方法や、巣穴にいるときにクロロピクリンや一酸化炭素が使用されます。
- 機械的方法…わななどですね。
うさぎの持ち込みや飼育の禁止
オーストラリアのクイーンズランド州では、ペットとしてうさぎを飼うことが禁じられています。「外へ出ないようにしっかり囲ったり、避妊手術をしたりすれば飼育を認めても良いのでは?」という声もありますが、なかなか実現していないようです。
まとめ
うさぎが自然環境にダメージを与えたり、侵略的外来種として扱われているのは心が痛むことです。しかし考えようによっては、それだけ種としての生命力が強いということでもあります。
これからもうさぎ達は、今いる環境の中でたくましく生きてゆくのでしょうね。
うさぎさんの一見奇妙な行動については、こちらをご覧ください。
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